黄金のまどろみ。

さて。
早々、ゴールデンスランバーを見て参りました。
もうそろそろ終了だろう時期だから、焦り気味で。

これ、小説未読で観た人はどんな感想を持ったのだろうか。
展開がすっとぶ箇所が多々あって、理解しづらかったんじゃないかな、と。
あるいは、全く違うドラマを観ていたかも、と思うと、興味深くて感想を聞きたくなる。
でも、既読で内容をしっかり把握してても観方は違うから、鑑賞後のおしゃべりが楽しいんだよね。
映画であれ、読書であれ。


しかし。
何はともあれ。
キルオ!
これはもう!ホントにもう!
もうもうもう!と牛になってしまうくらい良かった。
キャスティングが決定した際、キルオが濱田くんだと知り小躍りしてましたが、そもそも伊坂氏が濱田くんをイメージして作った人物だと。
ほー。
それにしても。
スゴクハマッテタ。
前髪パッツンといい、歌うような話し方といい。
色んな役がこなせるんだね。びっくりした。


伊東四朗さんもハズレてなかった。
小説でも読みながら大笑いしながらも大泣きしてしまったシーン。
映画でも、たっぷり笑わせていただき、しっかり泣かされてしまいました。
おかあさん役も然り。
淡々としていて図太く開き直ったかのように振舞っていたけれど、息子からの手紙にネジが数本すっとんじゃったみたいな高笑い。
泣くのではなく、笑う。


天高く母笑う秋(違


親というものの、深さ強さ逞しさ、そして温かさが伝わってきました。
勿論、一緒に笑いつつ泣けました。

ロックとロッキーにも、充分しびれさせていただきましたが、キルオに続く大当たりは江本さん!
保土ヶ谷


「どちらかといえば裏稼業の人間だから…」


と、微妙にブロントさんを思い出させる口調が笑いを誘い。
散々、車椅子で移動した挙句、唐突に歩き出す後姿にあれだけ可笑しさ図太さを醸し出せる人はそういない(笑)


こうやって考えると、こういう言い方は語弊があるかもしれないけれど、主要人物4名(堺さん、竹内さん、吉岡さん、ひとり)は意外と代役きくかも?とか思ってしまったり。
新選組!の山南さんは、絶対堺さんだけど。

ひとりは、私個人としてはユースケさん(サンタマリア)的位置づけになってしまっていて(笑)
たぶん演技は上手なんだろうけれど、素直に認められないという。
心の狭さが邪魔して冷静な判断がまだできない時期です(笑)


小説では確か「人間にとっての最高の武器とは“笑えること”なんじゃないか」と、青柳は最後に思っていたように記憶しているのですが。
今、手元に本がなく確認できませんが。
映画では、それ以前の“信じること”が強調されていました。

“笑えること”ならお母さんが、“信じること”ならお父さんが浮かんできて、ああ、もうどっちでもいいかな、と。

少ししか出演しませんでしたが、吉岡さんの演技はやはり心に残るものがありました。
存在感?
なんだろうね。うらぶれた感じの哀愁?(笑)
意外だったのが、声。
哀川翔さんみたいな声だった。

小鳩沢がゴルゴ13みたいで笑った。
花火と共に夜空に飛んでったシーンでは、つい大笑いしてしまいました。
小説にはなかったけど、おもしろかった。


全体的に良くできてたと思います。

再読したくなりました。